先週はあの「3.・11」以来3年ぶりにこの欄をお休みさせて頂いた。土曜日の段階で、体力・気力が限界になっていたためである。
実は2月末から3月上旬にかけて長老会の承認を得て、初めてのイタリア旅行に出かけた。信徒の友誌の「ようこそキリスト教名画の世界に」欄を1年間連載していた長女が、予てから計画していたイタリアの美術館と諸教会の名画を見る旅に同行したためである。彼女はキリスト教美術を専門とする現役の学芸員である。私は生涯で4度目の海外旅行、欧州は初、JTBの企画する団体の旅も初めての経験であった。
ダビンチの「最後の晩餐」とミケランジェロの「最後の審判」の両方が見られて、ミラノ・ヴェネチア・フィレンツェ・ローマの4都市を巡り、各地の教会や美術館見学の団体予約がなされ、観光ガイドが付く旅である。上の二つの「最後・・」は、現在個人で自由に見ることが極めて困難と言われている。娘の緻密な計画では途中のオプション観光の時間は、ひたすら教会と美術館巡りが組まれていた。私はただただ娘の後に付いてフィレンツェとローマの町を巡り歩いただけであった。両手では足らない数の教会と美術館などを巡り、何千という絵画や彫刻を見て歩いた。分からないことはすぐ傍の学芸員に聞けば良かった。その上に元々組まれていた美術館に大伽藍巡りである。膨大な量の美術に関する情報が入り込んできたが、まだまだ混乱していて、どこを歩いて何を鑑賞したのか整理できていない。
その旅の2日目、最初の美術館で「最後の晩餐」見学直前に、留守を守っていた妻から訃報が届いた。教会員のI氏が召されたとの報に正直衝撃を受けた。ご親族の訃報と私の旅による不在とが3年連続で重なってしまったからだ。ご自宅にお電話して不在をお詫びし、概要の打ち合わせをしながらも、移動する車中において前夜式と告別式のメッセージをノートに作り始めた。それと並行して各地の名画と大伽藍を巡る旅は新しい出会いや様々な発見と学びを与えられ、無事に帰国。直ちに準備に励み、日曜礼拝に続いて葬儀が持たれ、多くの方々とともに故人を想起し、その信仰の生涯を分かち合うことができたと思う。全力で走り抜けたような2週間、少し落ち着いて受け止め直したいと思っている。
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