関東よりも約1ヶ月遅い、東北各地の桜前線開花の便りが届いている。GWに満開を迎える地域も多いだろう。今年の冬が長かった分だけ、春も少し遅れてきたようだ。
一方千代田教会では初夏の香りに誘われるように、庭の木々には若葉が芽吹き、日に日に大きくなり、雑草が生い茂り始めている。3月中旬に教会学校のMちゃんが植えたジャガイモも土の中から芽を出し始めている。さらにここは新宿なのだが、隣家との境では「蕗」が大きくなってきた。そんな庭の環境を保つために、妻が今期2度目の草取りに励んでいる。ついでに町会の役員さんが大好きな蕗も採ってお裾分けして喜ばれた。彼には不在の時の管理や水撒きもお願いしているので、駐車場を貸したりして日頃から仲よくして頂いている。
そんなご近所の皆さんも毎年楽しみにして頂いているのが教会のバラである。すでにたくさんの花芽が伸びている。GW過ぎには開花すると思われるが、ざっとみて2000本ほどの花芽があるだろう。このたくさんの花芽に混じって、私が「蔓芽」と呼ぶものも伸びている。今はその蔓芽を伸ばす時期ではないので、棘に刺されながらもそれらを切り取る。花芽に栄養分を送るためである。大きくて太い花芽には10輪以上の花が咲く。1番花が終わりその花ガラを切り落としてやると、2番花が数輪咲く。さらに3番花も咲くものもある。平均すれば1つの花芽から5~6輪は咲かせているので、すでに教会のバラの壁は1万を超えるバラの花に飾られることになる。道行く人も足を止めて見入り、またわざわざカメラを抱えて来られる方もあるくらいだ。
このバラの親株は被災した新生釜石教会の庭に今も生きている。昨年はカトリックのS姉たちと「釜石のバラ・プロジェクト」に取り組んだ。50本以上の挿し木をして、教会の庭で世話をしたのだが、釜石の孫たちが全て根を張り生き延びた。S姉たちの活動を支援する全国各地の方々に届けられ配られたはずだ。津波で傷ついた釜石のバラの孫たちが、今全国に散らばり、新しい根を張り美しい花を咲かせようとしている。この四谷でも道行く人に挿し木をお分けしている。親株の復活を祈りながら、東北より1ヶ月早い「バラの教会」ももうすぐである。
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