あの「3・11」原発事故の破局の恐怖も忘れたかのような政府のエネルギー基本計画に、大きな失望と政権の無節操を覚えたのは私だけではないと思う。もう一度原発事故が起こったなら間違いなく国が滅びるし、一国だけではすまない事柄だ。これからの子どもたちのためにどんな世界を遺してゆけるのか、我々大人たちが生き方を問われている。
ところで先日ドイツ語福音教会のオルガニストのH姉から久しぶりのメールが届いた。そこには復旧した三陸鉄道の南リアス線に、釜石保育園の子どもたちが乗っている映像がTVで放映されている、というものだった。メールを開いた時間が遅かったので、直接TVを見ることができなかったが、園長先生のF姉に率いられた子どもたちの楽しげな姿が映っていたという。実は新園舎建設は、オリンピック等の影響もあり、入札が何度も流れていて、この春のお引っ越しは叶わなかった子どもたちと園長先生である。三鉄よりも新園舎であったと思うが・・。
しかし三鉄の全線が5日、6日に南と北とで完全に復旧したニュースは寄付をした私たちにも嬉しい便りであった。北リアス線は久慈から宮古まで、南は釜石から大船渡まで。宮古と釜石の間はJRの山田線であるが、寸断されたままで何も手が付けられていない。採算が取れない赤字路線をJRは放棄したいのが本音のようだ。第3セクターで30年前に始まった三鉄も、山田線の経営を引き継ぐことに逡巡しているようだ。何故なら復旧したとはいえ、毎年の経常赤字が小さくないわけで、どうしたら採算が取れるようになるか頭を痛めていると思われる。
その対策の一つが都会の人々が被災地に出かけて行って、三鉄に乗ることであると思う。それは間違いなく復興支援の大きな貢献になる。あの地で何が起こったのか、何がまだ不足しているのか、これからに向けて何ができるのか、自分たちの目と耳で、あるいは5感全てで感じ取ること。便利な大都会の繁栄と生活を支える地方の現実を、足を運んで感じ取ることは課題を分かち合うことでもある。何より教会の皆さまには、既に復興支援で三鉄の切符を買って頂いている。切符の有効期限は復旧から1年間。来る8月の北支区・被災地訪問交流の旅でも三鉄南リアス線に乗車する予定である。是非ご参加頂きたい。
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