2014年2月19日水曜日

坂町坂だより NO.320


 

 久しぶりに風邪を引いた。前回風邪を引いたのは、かかりつけのお医者さんのカルテにも記録がなかなか見つからないほど前のことである。

記憶では4年以上経っていると思う。また「3・11」以降、これまでに約20回岩手に行き被災地支援の活動を続けてきた。その中には自分で車を運転しての往復が数回含まれている。けれどもこの間も風邪を引くことなく何とか乗り越えてきた。それを密かに自負していた。

 しかし久しぶりに風邪を引いてみて、結構苦しい夜を過ごすことになった。そんな休養の日々、2006年秋に出版された対談集『たった一度の人生だから』(いのちのことば社)を読み直してみた。対談しているのは1911年生まれの日野原重明先生と1946年生まれの星野富弘さんである。特に日野原先生は2001年の「9・11」を踏まえた上で、いのちと平和について話されているが、星野さんの苦難を乗り越えてきた人生から生み出される一つひとつの言葉も素晴らしい。2005年に完成したばかりの新しい富弘美術館と地元の童謡ふるさと館での豊かな対話の記録であり、新緑の美しい旧東村・現みどり市の里山の自然と陽光を感じさせる小さな1冊である。

 私たちの教会でも、1泊懇親会を行っていた時期2007年の夏、富弘美術館を訪れたことがある。星野さんの描いた美しい花々と添えられていた詩の言葉に豊かな慰めを受けた。24歳の時に頸椎を骨折した彼が、60歳の誕生日を直前に、95歳の日野原先生と語り合っている。お二人は今も健在であり、「3・11」以降の世界にも夫々のメッセージを発信し続けている。もう一度あの美術館に行ってみたいものだ。

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